こんにちわ、mameoです。
理学療法士として総合病院で勤務しています。
今回は、大腿骨頸部骨折について話していきます。
では、はじめましょう。
そもそも、大腿骨頸部骨折ってなに?
大腿骨の近位部の骨折を生じた部位によって分類されます。
受傷機転 ・脆弱な骨の荷重ストレス ・転倒 ・若者の軸方向高エネルギー 特徴 ・女性が多い、80-84歳がピーク、大腿骨頭壊死のリスクあり 予後 ・生命予後 骨折後の死亡率 1year9.8-10.8% ・影響因子:高齢、長期入院、受傷前ADL、認知症、男性、心疾患 リハビリの予後 ・年齢、受傷前ADL、認知機能が影響する ・受傷前の歩行に戻るのは約50%程度(術後1年)、基本的には一段階下がる ・術後48時間以内のなんらかの荷重開始が歩行機能予後に寄与する(Med J Aust.201(10))
評価の方法は?
Garden分類
骨頭骨片の転位の分類 ・非転位型:stage I-Ⅱ ・転位型 :stage Ⅲ-Ⅳ 術式選択の基準となる Stage Ⅰ:保存or骨接合術(ハンソンピンなど) 保存であれば、2weeksベッド上安静からPWB Ⅱ:骨接合術orBHA(人工骨頭置換術) Ⅲ:BHA Ⅳ:BHA *65歳以下、合併症がない場合ハンソンピンを選択することも NWB→PWBでのリハ 利点は、自分の骨や関節が温存され、術後の運動機能が残存し易い
Pauwels分類
骨折線の角度分類 *骨折線と水平線のなす角=Pauwels角
・第一度:30°以下
・第二度:30〜70°
・第三度:70°以上
固定材料の基準となる
・第三度ではスクリュー単独、フックピン単独は困難
角度安定性のあるサイドプレートを持つtwin hookを選択
リスクは?
術式による術後リスク ・BHA:後方脱臼(2-7%) ・骨接合術:偽関節 非転位型:4-21%、転位型:46-57% 骨頭壊死 非転位型:4.6-21%、転位型46−57% *2年間のフォローが必要 遅発性骨頭陥没:レントゲン上で確認できる骨頭変化 ルーズニング
まとめ
・大腿骨頸部骨折について話しました。
まとめると
・高齢の女性に多い、大腿骨頭壊死の可能性、1年の死亡率は約10%
・評価は、Garden分類、Pauwels分類を用いて評価し、程度により術式が決定
・術式は、保存(手術しない)、骨接合術、人工骨頭置換術が選択される
・手術により術後のリスクが異なる、脱臼・骨頭壊死のリスクあり
上記の内容を理解することで、リハビリ前に疾患特性を把握することができます。
臨床に落とし込むと
ex ) ・頸部骨折だから、股関節の回旋ストレスは注意しないとな ・骨折線の傾斜が強いから、転位しやすいから荷重量は押さえておこう ・歩行レベルが低くなる可能性があるから、前もって家屋調整をしておこう など
最後に
今回は、【大腿骨頸部骨折】について話しました。
この他にも、骨のリモデリング、創傷治癒、筋肉インバランスなどもありますが、
この辺りは、徐々に学んでいけばOKと思います。
参考になれば幸いです。
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